ストックビジネスとは

サブスクリプションビジネスとストックビジネスの違い

 

■サブスクリプションビジネスとは?

サブスクリプションビジネスですが、英語のsubscription のことで 、もとは新聞・雑誌などの「定期購読」が語源です。

では、なぜ今、サブスクリプションが注目されているのかというと、米国がリードするIT業界で、従来の「ソフトウェア販売型モデル」から「クラウド型サービスモデル」にビジネスが移行したことで、必然的にサービス利用に対して課金する方式として定期課金型の「サブスクリプション」にビジネスモデルが大きく移行していったからです。

しかし、この変化の原型は1990年代のIBMの再生にあったと考えられます。瀕死のIBMを再生させたルイス・ガースナーは従来の「コンピューター販売モデル」のビジネスをコンサルティング・システム運用保守が中心の「サービスモデル」に大変革しました。そのビジネスモデル変化によって、必然的に収益構造も「売切り型」から「定期課金サブスクリプション型」に移行していきました。基幹業務システムの構築・運用保守サービスです。

さらに近年のクラウドサービスやIoT、AIによるビッグデータ解析などのIT進化によって常時接続・監視型のビジネスモデルに進化していく過程でIT業界にとどまらず、多くの産業でITをベースとしたサブスクリプションモデルへの移行が進んでいるからです。

加えて、「所有」から「使用」への移行で注目されている「シェアリングビジネス」などの変化もサブスクリプション型課金が求められる理由です。

サブスクリプションビジネスは英語でsubscription-based modelなどと表現されます。この対義語はpay-per product modelやpay-per-use modelなどです。製品購入・使用ごとに支払うビジネスモデルとなります。

 

■ストックビジネスとは?

まず知っておきたいことは、「ストックビジネス」は日本で一般的なビジネス形態の呼称ですが、これは和製英語です。よって外国でストックビジネスと言っても上手く通じないでしょう。英語ではrecurring revenue model が一番近い表現でしょう。意味は経常収益。経常的・反復的に生み出される売上のことです。

ここでわかることは、subscription-based modelは具体的な「定期課金型モデル」を意味しているのに対して、recurring revenue model は「収益の継続性」を主に意味しているということです。ストックビジネスも同様に「継続収益型のビジネス」を意味しているのです。

ストックビジネスの定義は以下のとおりです。

・売上継続型ビジネス、同じ畑から毎年安定収穫を得る農耕型ビジネス

ストックとは「蓄積する」という意味で、顧客ごとに継続する売上を積み上がっていくタイプのビジネスを「ストックビジネス」と呼んでいます。このストックビジネスの対義語にあるのが「フロービジネス」です。

定義は以下のとおりです。

・新規売切り型ビジネス、常に新しい獲物を求め続ける狩猟型ビジネス

これも和製英語です。フローとは「流れる」の意味であり、売上が都度流れてしまう常に新しい契約を取り続けないといけない売切り型のビジネスを指しています。

このように比較してみると、ストックビジネスもサブスクリプションビジネスも基本的には同じようなタイプのビジネスを指していることがわかります。しかし、サブスクリプションビジネスが、より「具体的な定期課金形態」を意味しているのに対して、ストックビジネスは、より「概念的な収益継続性」を意味しています。

ゆえに、世の中には「これぞストックビジネス」というようなビジネスが存在するのではなく、「ストック性が高いビジネス」「フロー性が高いビジネス」など、その収益継続性の「レベル」を捉えて、概念的に表現していることが多いのです。

たとえば、 化粧品通販会社など、「サブスクリプションモデル」を採用していないにも関わらず、ストック性が極めて高い収益継続型の「ストックビジネス」を展開している企業は多く存在します。

 

■サブスクリプションの成功はストック性分析にある

まとめると、サブスクリプションビジネス成功の可否は、そのビジネスの「ストック性」を分析することが本質であり、ストック性が極めて高い場合に限りサブスクリプションモデルを導入できると考えるべきでしょう。単にサブスクリプションモデルだけを表層的に導入しても多くのビジネスは失敗します。そういう意味では、サブスクリプションビジネスで失敗した企業こそ、ストックビジネスについて、その本質を学ぶべきでしょう。